「アガリクスや食事療法でがんが治ったという話は嘘だった」の真相
✳️【ウソの体験談で大金を稼ぐ業者たち】 1人2人といった個別の例だけでは信頼に足る根拠にならないと知っていれば、ウソにだまされる可能性を減らせます。ここで言う「ウソ」には、事実の誇張も含まれます。 がんで困っている方は世界中にたくさんいます。そのため、一度「がんに効果がある」と信じられると... 続きをみる
「アガリクスや食事療法でがんが治ったという話は嘘だった」の真相
✳️【ウソの体験談で大金を稼ぐ業者たち】 1人2人といった個別の例だけでは信頼に足る根拠にならないと知っていれば、ウソにだまされる可能性を減らせます。ここで言う「ウソ」には、事実の誇張も含まれます。 がんで困っている方は世界中にたくさんいます。そのため、一度「がんに効果がある」と信じられると... 続きをみる
✳️【がんが起きる3大要因とは】 がんができる理由を知るためには、遺伝子異常がなぜ起こってしまうのかを知る必要があります。その原因は主に3つあります。 ・要因1│外因要因──タバコ・アルコール・ウイルスなど(中略) ・要因2│遺伝子要因──親から引き継ぐ(中略) ・要因3│偶発的要因... 続きをみる
✳️【がんになったらどのような治療法を信じればよいのか】 ・がん細胞は糖質をエネルギー源にするため、糖質を摂取しなければがんが小さくなる ・にんじんジュースには抗がん作用のある物質が豊富に含まれているので、がんを治す効果がある ・オゾン療法(血液クレンジング)はがんの予防・再発防止に有効... 続きをみる
✳️【民間療法でがんが消えたという勘違い】 (前略)アマゾンで「がん」と検索すると、「私はこの方法でがんを治しました」という内容の本がたくさん出版されていることがわかります。 これらの多くには、民間療法などでがんの治療に成功した人の経験談が載っています。 しかし、がん本の場合、個人の経験... 続きをみる
✳️【22の食事法を徹底的に調査した結果は……】 がんと食事法の関係について、網羅的に調べた研究があります。 2010年、イギリスの研究者たちが、グーグルなどの検索エンジンや医学雑誌を調査し、「がんに効く」とうたわれている食事法を調べました。 その結果、なんの根拠もないでたらめのも... 続きをみる
✳️【有効性が否定されているビタミンC療法】 自由診療の例として、がんに対するビタミンC療法が挙げられます。 インターネットで検索すると300件以上の施設(主にクリニック)が見つかります。 がんに対するビタミンCの効果については古くから数多くの研究がおこなわれており、細胞や動物実験ではある程... 続きをみる
✳️【ランセットに載った決定的証拠】 (前略)このように1期や2期の早期がんと診断されても、がん細胞が血管やリンパ管に侵入している場合があり、その「微小がん」がのちに遠隔転移となって再発してきます。 乳がん、卵巣がん、小細胞肺がん、大腸がんなどの“抗がん剤が効きやすいがん”では、微小がんのうち... 続きをみる
【エビデンスレベル】 現代医学では、なんらかの治療行為の信憑性や効き目の高さを表す「エビデンスレベル」というものがあります。 エビデンスレベルが低いほど信憑性・効き目が低く、エビデンスレベルが高いほど信憑性・効き目が高いとされています。 【メタアナリシス】 そのエビデンスレベルで最高位に君臨... 続きをみる
✳️【糖質制限でがんは治るのか】 イギリスにキャンサー・リサーチUKという、がんの研究と啓蒙を目的とした世界最大級の団体があります。 この団体が提供している情報を参考にして、食事ががんにどのような影響を与えるのか見ていきましょう。 読者のみなさんの中には、「がんは糖質を栄養素にするため、... 続きをみる
✳️【マクロビオティックに科学的根拠なし】 マクロビオティック(マクロビ)もしばしば耳にします。これは、玄米、全粒粉を主食として、豆類、野菜、海藻類などから組み立てられた食事法です。 マクロビは一般的には健康によい食事であると考えられているものの、がんに有効だという科学的根拠はありません。... 続きをみる
✳️【「コーヒー浣腸」には死亡例も】 (前略)ほかにも、がん患者さんにしばしばすすめられる食事法があります。 たとえば「ゲルソン療法」という民間療法です。ドイツ出身のゲルソンという医師が提唱したもので、コーヒーで浣腸をして「デトックス」し、加えて大量の生の果物や野菜をとり、野菜ジュースなどを... 続きをみる
✳️【がんと食事について、研究でわかっていること】 がんと診断されたあとでも、「食事を変えればがんが治るのではないか」と考える患者さんは少なくありません。 書店に行くと「○○を食べたらがんが消えた!」といった派手なキャッチコピーの本が数多く売られていたり、テレビをつければ「○○ががんに効く」... 続きをみる
「抗がん剤とサプリメントを組み合わせた治療は予後が悪い」の嘘
✳️【サプリは抗がん剤の効果を弱める可能性がある】 サプリはがんの進行をゆっくりにしたり、死亡率を下げたりするどころか、場合によっては抗がん剤の効果を弱めてしまう可能性が最新の研究結果から示唆されています。 抗がん剤はがん細胞を攻撃することでがんと戦います。その抗がん剤治療中に抗酸化作用があ... 続きをみる
✳️【「がんに効果あり」と言われている4つのサプリを検証する】 ・サプリ1│ブロメライン──がんの治療効果は認められていない ブロメラインとは、生のパイナップルに含まれるたんぱく質分解酵素のことであり、サプリとして販売されています。 肉を柔らかくするためによく酢豚でパイナップルを合わせま... 続きをみる
「代替医療を受けて標準治療を受けないがん患者は死亡リスクが高い」の嘘
医療洗脳・医療詐欺に引っかからないためのポイント ✳️ 【標準治療を受けていないがん患者は死亡リスクが高い】 スーパーエリートである標準治療は、実際のところどれだけ効果があるのでしょうか。 ここで、標準治療と代替療法の治療成績を比較したアメリカの研究を紹介します。 図表1-2は、アメリカで標... 続きをみる
「がんの治療法は世界中のどの病院も変わらない」は当たり前のこと
✳️【がんの治療法はどの病院も変わらない】 がんの治療法にはいろいろな種類がありますが、基本的にどの病院でも同じ方法を採用していて、日本中どころか世界中どこにいってもほとんど変わりません。 有効かどうか微妙な治療法であれば国によって異なることもありますが、効果が高い治療法であれば、どこの国の... 続きをみる
✳️【1万個に1個しか残らない!がん治療薬を選抜する4つのプロセス】 保険適用の治療法が最高と言える最大の理由は、効果があるかどうかを徹底的に調べ抜かれているからです。 新しく開発された薬がどのような厳しいプロセスを経ているか、少し見てみましょう。 研究者が新しいがん治療薬を開発をしたら... 続きをみる
【か行】 クラスター単位RCT──ランダム化比較試験(RCT)は本来1人1人をくじ引きで2群に振り分けるものだが、数十人単位、数百人単位で2群に振り分けておこなわれるRCTがまれに存在する。それがクラスター単位RCTである。無論、結果の正確性は著しく低いものになる。 【さ行】 サブグループ分析... 続きをみる
「国は医療費を抑制するためにがん代替療法を保険適用にしない」の嘘
✳️【医療費の抑制】 日本の医療費は42兆円を超えており(2018年度)、国はどうにかして医療費を抑制しようとがんばっています。 そのような状況の中で、効果があるかどうかはっきりしない治療法に国が公的保険を適用することはありません。本当に効果があるという科学的根拠がある標準治療のみを保険が利... 続きをみる
✳️【万能薬と医療費】 「本当はあらゆる病気に効く万能薬が発見されているというのに、各国政府と製薬会社が裏で手を結び、隠しているせいで世に出てこないのだ」という陰謀論がある。なんとスケールが大きい話だろうか。 そもそも万能薬が本当に存在するのであれば、各国政府が放っておくはずがない。よほど高... 続きをみる
「抗がん剤で体がボロボロになるのは腫瘍内科医が不足しているから」の嘘
✳️【日本で抗がん剤が正しく使われていない理由とは】 抗がん剤を使用する医師は、副作用をきちんと管理できなければいけません。しかし、残念ながら日本では必ずしもそれがきちんと達成できているとは言えません。 先進諸国の中で、日本は抗がん剤治療の専門医(腫瘍内科医)がいちばん少ないのです。日本での... 続きをみる
✳️【腫瘍内科医の役割とは】 抗がん剤は本来であれば、抗がん剤の専門の医師である「腫瘍内科医」が扱うべきものです。抗がん剤の種類も現在では100種類以上ありますので、その適応や副作用に対応する方策に精通した専門職が関わるべきことは当然だと思われます。 欧米先進諸国では、腫瘍内科の専門医制度は... 続きをみる
✳️【抗がん剤でがんは治る?】 固形がんの場合、抗がん剤を使う目的は、主に2つに分かれます。そのことを、まずはしっかりと理解していただきたいと思います。ひとつは手術後の再発を予防するため、つまり“がんの完治率を高めるための治療(術後補助療法)”です。もうひとつは、再発や転移したがんに対する延命治... 続きをみる
✳️【科学的根拠(エビデンス)】 がんの専門医がすすめる保険適用の標準治療には、すべて臨床試験フェーズⅢで好成績を残したという科学的根拠(エビデンス)があります。 一方、保険適用の標準治療に対して、保険が利かない標準治療以外の未承認治療は、科学的根拠となるデータがないか、あっても不十分です。... 続きをみる
「コロナワクチンの有効率90%超は数字のトリックではない」の嘘
✳️【新型コロナワクチンの有効率90%超は数字のトリック?】 『答え:トリックと言っているほうがトリックです』 「まず、新型コロナワクチン“有効性”90%以上とは完全に嘘です。幼稚な数字のマジックです。だまされてはいけません。(中略) A郡(未接種)の非感染者数は、2万1769-85=『2万... 続きをみる
【反論不可能の決定的証拠】 厚労省技官の発言や立花隆の目撃談が、100歩ゆずって都市伝説のたぐいだったとしても、次に紹介する事実だけは誰も反論はできないでしょう。 【胃がん診療ガイドライン】 日本胃がん学会が発行している〈胃がん診療ガイドライン〉には、抗がん剤の延命効果の証拠として、3... 続きをみる
✳️【安くて効果抜群の標準がん治療】 世間一般の常識では、よいものほど値段は高いことが多いので、効果があるのに安いなんておかしいと思われるかもしれません。 これにはからくりがあります。保険適用の標準治療は、実はとても高額なのです。 がんの外科手術を受けると100万円を超す費用がかかり... 続きをみる
【抗がん剤で症状緩和できるがん】 〈最高のがん治療〉の61ページには、「抗がん剤で症状緩和や延命効果が十分に期待できるがん」として…… 乳がん、卵巣がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、大腸がん、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、非ホジキリンリンパ腫(低悪性度)、胃がん、膀胱が... 続きをみる
津川友介/勝俣範之/大須賀覚〈最高のがん治療〉26の嘘 目次
「がんはやっぱり標準治療が一番なの?」 「代替医療は危険という話を聞くけど、本当のところが知りたい」 ……この記事はこのような方たちのために書かれたものです。 応援クリックお願いします🙏 にほんブログ村 ▼標準がん治療の究極の提灯本〈最高のがん治療〉へ宣戦布告 ▼「がんを放置してものが食... 続きをみる
✳️【オプジーボはドセタキセルより2倍長く生きられる】 図表1-5は、「非小細胞肺がん」という肺がんの一種の患者さんに対して、オプジーボという薬がとても効くことが証明されたときのデータです(NEJM.2015)。 オプジーボはがん治療の歴史を変えたと言われた薬で、開発者の本庶佑先生は2018... 続きをみる
「がんを放置してものが食べられなくなった患者を手術で救った」の嘘
✳️【手術で救われた胃がん患者】 一時期、「がんは切るな」といった極端な情報(いわゆる「がん放置療法」)が広まったことがあります。ある患者さんは、このようなことを言う医師の診断を受けたとき、「手術をやったら寿命が縮まるだけ」と言われ、がん放置療法をすすめられたそうです。 この患者さんにがんが... 続きをみる
【書評】「最高のがん治療」を現役医師がレビュー 【レビュー①】 評価★★★★★ エビデンスに基づいた現時点での「最も優れたオプション」であるがん治療法を明示した上で、いかに世の中に溢れるがん治療を謳うトンデモ医療や民間療法が有害なものか警鐘を鳴らす、大変信頼できる内容の本と感じた。自分も親族の... 続きをみる