「抗がん剤が悪いのではなく腫瘍内科医が少ないのが悪い」の嘘
✳️【腫瘍内科医の役割とは】
抗がん剤は本来であれば、抗がん剤の専門の医師である「腫瘍内科医」が扱うべきものです。抗がん剤の種類も現在では100種類以上ありますので、その適応や副作用に対応する方策に精通した専門職が関わるべきことは当然だと思われます。
欧米先進諸国では、腫瘍内科の専門医制度は約30年以上前からあり、抗がん剤治療はすべて腫瘍内科医がおこなっています。日本では、「がん薬物療法専門医」、すなわち腫瘍内科医の専門医制度ができたのは2005年のことであり、欧米諸国から30年は遅れてしまったのです。
腫瘍内科医の数は、米国の1万4158人に対して日本は876人(2013年調べ)。いかに少ないかがおわかりいただけるでしょう。厚生労働省が認定しているがん拠点病院でさえ、腫瘍内科医がいない病院も多数存在するのが現状です。抗がん剤は前述したとおり、使い方次第で治る患者さんも治らなくなってしまったり、また副作用対策がしっかりできなければ患者さんの生活の質を著しく低下させたりすることになります。腫瘍内科医が少ないために、日本では外科医が抗がん剤治療をおこなうことがほとんどなのですが、それは海外先進諸国からすると、とても異質なことのようです。 勝俣範之〈「抗がん剤は効かない」の罪〉より
✔️【反論〈根拠が書かれていない〉】
つまり、腫瘍内科医がたくさんいれば、がん患者のQOLは高まり、生存期間も延びるということですか?
で、そう言える根拠はなんなのでしょうか……?
【NEJMに載ったとある論文】
ところで、2002年のNEJMに次のような論文が載ったことがあります。
①シスプラチン+パクリタキセル
②シスプラチン+ゲムシタビン
③シスプラチン+ドセタキセル
④カルボプラチン+パクリタキセル
……という4種類の多剤併用療法で4グループの肺がん患者(人数は約1200人)を治療したのですが、グラフを見ると生存曲線がピッタリと重なっており、生存期間40ヶ月のところで全グループの生存率が数%になっているのです。
これは観察期間をもう少し延長すると、曲線が横軸と交わる、つまり肺がん患者全員が40数ヶ月で死亡すると見られています。
実はこの研究をおこなったのは、アメリカの腫瘍内科医たちなのです。
つまり、勝俣範之が絶賛するアメリカの腫瘍内科医たちも、肺がん患者1200人中1人として5年以上生きさせることができなかったのです。
これで勝俣範之の「腫瘍内科医がたくさんいればがん患者のQOLは高まり、生存期間も延びる」という意見が嘘であることがわかると思います。
が、話はこれで終わりではないのです……。
【近藤誠の〈抗がん剤は効かない〉に載っている話なのだが……】
実は前述の論文の話。近藤誠の〈抗がん剤は効かない〉に載っているものなのです。
私はこちらの記事で勝俣範之が、〈抗がん剤は効かない〉に載っている利益相反の話を無視していると指摘しましたが、勝俣範之はアメリカの腫瘍内科医たちによる多剤併用療法の話も無視していたというわけなのです。
【まとめ】
●腫瘍内科医がどれだけ増えてもがん患者は救われない。
●勝俣範之はそのことを知りながら、無視して話を展開している。
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抗がん剤論争!勝俣範之vs近藤誠編(勝者はあなたが判断してください)目次
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