医者と病院に殺されないための知識ブログ

医療界は現代医学に支配されており、標準治療を受けることが常識とされています。が、それによって多くの命が失われているのです。この事実を日本人に伝えるのがこのブログの目的です。

「抗がん剤で固形がんが治る」の嘘



✳️【抗がん剤でがんは治る?】

 固形がんの場合、抗がん剤を使う目的は、主に2つに分かれます。そのことを、まずはしっかりと理解していただきたいと思います。ひとつは手術後の再発を予防するため、つまり“がんの完治率を高めるための治療(術後補助療法)”です。もうひとつは、再発や転移したがんに対する延命治療、つまり“がんとの共存を目指す治療”です。 


 まずは「術後補助療法」としての抗がん剤についてお話します。 


 進行していない早期の固形がんの治療の主体は、手術や放射線治療といった“局所をコントロールするため”の治療になります。しかし、手術で取り去るだけでは十分ではありません。つまり再発の恐れがある。がん細胞というのは、小さいがんであっても、リンパ節や血管の中に忍び込むことがあり、それが時間が経って「遠隔転移」という形で再発します。がんがいったん遠隔転移再発をすると、なかなか治すことができなくなります。 


 ですから、がんを治すためには、再発を予防することが必要なのです。手術や放射線治療をしたあとに、ミクロの転移(=微小転移)を起こしている可能性がある患者さんに、抗がん剤を投与します。抗がん剤で、微小転移したがんを殺すことによって、再発を防ぎ、がんを治すことができるようになるのです。 


 この術後補助療法で治る可能性が高まる固形がんは、いくつかあります。


 まずは乳がん、卵巣がん、さらに胃がん、大腸がん、肺がんなど。これらにはきちんとしたデータがあります。膵臓がんは難治がんですが、最近では、術後補助療法での有効性が証明されています。これらのデータとは、「ランダム化比較試験」で抗がん剤を「投与する群」と「投与しない群」に振り分けて、長期データを出したもの。再発を予防して、がんを治す効果が高まったことが、紛れもない事実として報告されています。 


 乳がんでは早くも1970年代、3つの抗がん剤を組み合わせたCMFという化学療法で臨床試験がおこなわれ、その有効性が示されました(NEJM.1976)。この試験はミラノ試験と称され、20年後の追跡調査の結果が、世界的に権威のある医学雑誌の『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に報告されています(NEJM.1995)。図1−1のように、術後にCMFを「投与した群」と「投与しなかった群」でランダム化比較試験がおこなわれ、生存率で「投与した群」が優りました。CMFを受けなかった患者さんの群では、179人中48人と、再発しなかった人が約27%だったのに対して、CMFを受けた患者さんの群では207人中74人と、再発しなかった人が約36%に増えたのです。つまり、明らかに治る率が高まったわけです。最終的な全生存率も、CMF非投与群で25%、CMF投与群で34%と、CMF投与群が上回っていました。以降はCMFが生存率でほかの抗がん剤に取って代わられ、さらに次の抗がん剤がほかの抗がん剤に取って代わられ……と、どんどん進歩し、乳がんの術後補助療法はしっかり確立しました。 勝俣範之〈「抗がん剤は効かない」の罪〉より



✔️【反論〈固形がんが抗がん剤で治る?〉】

 血液がんが抗がん剤で治る可能性があることは知っていましたが、乳がんや胃がんなど、みなさんご存知の固形がんまでもが抗がん剤で治るなどとは、勝俣範之の本を読むまでまったくもって知りませんでした。


 しかし、NEJMに掲載された論文など、一応エビデンスはあるようです。


 が、ここで問題なのが、そのエビデンスが信用できるものなのかどうかということです。



【利益相反】

 たとえば、TS-1という分子標的薬は胃がんの術後補助化学療法の標準治療になっているのですが、標準治療に押し上げたのが「意味がある差」が検出されたランダム化比較試験で、2007年のNEJMにも論文が載ったそうです。


 しかし、この論文には研究者と製薬会社の間で利益相反があったことが発覚し、「結果を信用する基礎に欠けている」と言われています。


 では、勝俣範之が紹介したミラノ試験と追跡調査には利益相反はあったのか?なかったのか?


 詳細は〈「抗がん剤は効かない」の罪〉にはなにも書かれていませんでした……。


 これで「固形がんも抗がん剤で治る。NEJMに論文も載った。だから信じろ」と言われても、「はい、信じます」というわけにはいきません……。  



【近藤誠の〈抗がん剤は効かない〉に載っている話なのだが……】

 ところで前述のTS-1の利益相反の話。実はこれ、近藤誠の〈抗がん剤は効かない〉に書かれているものなのです。 


 勝俣範之の〈「抗がん剤は効かない」の罪〉は近藤誠の〈抗がん剤は効かない〉への反論本であり、勝俣範之はTS-1の利益相反の話を知っているはずなのです。


 術後補助化学療法の有効性を主張するのなら、根拠となっている論文に利益相反がないことを証明する必要があることはわかっていたはず。


 それだというのに、なぜ利益相反について一言も触れないのでしょうか……?



【まとめ】

 ●利益相反がないことを証明しなければ、ミラノ試験は固形がんが抗がん剤で治る根拠にはならない。



🏥国民病のがん。手術などの標準治療で治療するのが常識とされていますが、標準治療は大変危険なものなのです。食事療法をぜひご検討ください。

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