「がんの治療法は世界中のどの病院も変わらない」は当たり前のこと
✳️【がんの治療法はどの病院も変わらない】
がんの治療法にはいろいろな種類がありますが、基本的にどの病院でも同じ方法を採用していて、日本中どころか世界中どこにいってもほとんど変わりません。
有効かどうか微妙な治療法であれば国によって異なることもありますが、効果が高い治療法であれば、どこの国のどの病院でも基本的に同じものが提供されています。病院によってがんの治療方針が大きく異なることはあまり起こりません。
少し異なるくらいならよいのですが、その医師しかおこなっていない特殊な治療法をすすめられた場合は注意が必要です。 津川友介/勝俣範之/大須賀覚〈最高のがん治療〉より
✔️【反論〈がんの治療法が変わらないのは当たり前のこと〉】
世界中のどの病院でも治療法は変わらないなどと言いますが、それは当たり前のことです。
無論、世界中の大半の病院でおこなわれている標準がん治療が、すぐれているからではありません。
元京都大学医学部附属病院器官外科教授として、2000件ものがん手術・抗がん剤治療をおこなった和田洋巳という方の言葉にこういうものがあります。
「ガイドラインの標準治療以外の治療をやると、学会の権威たちに睨まれ、がん治療医としての立場が危うくなってしまう。そのため、標準治療に疑問や矛盾を抱いていたとしても、標準治療をやり続けるしかないのだ」
これでわかるように、標準がん治療はすぐれていて効果が高いから広くおこなわれているわけではなく、がん治療医たちは村八分にされるのが恐ろしいために、しかたなく標準がん治療をやっているだけだということなのです(標準がん治療が本当に効果があると思い込んでいる医師もかなりいますが……)。
ちなみに和田洋巳は現在、標準がん治療に見切りをつけ、がん食事療法家として活動しています。
【多数決の恐ろしさ】
また、〈最高のがん治療〉の著者たちは……
「少し異なるくらいならよいのですが、その医師しかおこなっていない特殊な治療法をすすめられた場合は注意が必要です」
……などと言っていますが、カウンターとして鶴見隆史医師の〈ガン患者とともに命をつなぐ〉からとあるエピソードを紹介します。
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【悲惨な実例⑤】ステロイドと抗生物質(前立腺がん骨転移、男性、65歳)
前立腺がん骨転移で2013年、私のクリニックを受診。私は当院の治療方針と具体的な療法を2時間にわたって男性に話しました。すると後日、男性から電話がありました。
「先生のような治療法をおこなうお医者さんは、全国にどのくらいいらっしゃいますか」
「そうですね。きわめて少ないでしょうね。厳密に言えばもしかして私1人かもしれません」
「そうでしょうね。全国に30万人の医者がいると聞いていますが、30万対1でしょう」
「そう言われれば、そうかもしれません」
「そこで私も考えました。やはり、まず30万人の医者が普通にやってる治療をして、それでもダメなら先生のやり方をするべきではないか、と」
「でも、西洋医療はリスクが高いですよ」
「ええ、先生のおっしゃることはよくわかります。でも、とにかく決めました。まず普通の治療をするのが先決だと」
「そうですか。そう決めたのならしかたがないですね。その普通の治療ってなにをするんですか」
「主治医の先生が言うには、ステロイドは炎症が取れるので、まずステロイドホルモンを大量に投与する。ただ、ステロイドは感染しやすいから、同時に抗生物質も大量に入れる。これで炎症が取れ、かつ感染もなくなり、全身が良い条件となるので、そこで抗がん剤を投与すればガンも治っていく、というわけです」
多くの悲惨な例を知っている私はこの話を聞き、言葉を失いました。
(これでは治らない)とは思ったものの、言葉に出せませんでした。男性は明るい声で
「まあ、とにかくやってみて、もしダメならまた先生に相談しますので、そのときはよろしくお願いします」
男性が西洋医療の病院の治療プロセスに大きな希望を持っていることが電話で十分に伝わってきたため、私はもうなにも言えなかったのです。
半年後、この男性から電話がありました。
「シェンシェー」
絞り出すような低い声が電話口から聞こえました。
「その後、どうされましたか」
「だまされましたー」
「……」
「ステロイドと抗生物質の点滴で炎症が取れて元気になると思っていたのに、とんでもない。ほんの少しだった骨転移が広がるだけ広がって、骨は転移だらけになり、そこで主治医はすぐに抗がん剤を投与しました。そしたらもう最悪なことに。副作用だらけな上に骨転移はいっそう進行して……」
彼はここまで言うと、泣き出しました。5ヶ月経った時点で、いつも笑顔だった主治医は厳しい形相で、次のように言ったのだそうです。
「もう西洋医療の限界です。最新・最高の治療でも良くならないのは、ガンのたち(性質)が悪すぎるためです。うちの病院では治療を打ち切りますので、緩和ケアの病院へ行ってください」
主治医は本人には告げなかったものの、家族には「あと1ヶ月の命」とも伝えていたそうです。男性は「緩和ケア病院で死になさい、と言われたわけです」と声を振り絞ると、また泣き出しました。彼はこの電話で私に最後の望みを託したのです。 しかし、私はお断りせざるをえませんでした。すでにモルヒネ漬け・クスリ漬けで、余命いくばくもなかったからです。
半年前、男性には最初の診療時に2時間かけてとことん説明しました。残念ながら、この男性は30万人の医者の治療法を「数が多い」という理由で優先したのです。
その後、すぐ男性の奥様からご主人が亡くなったとの連絡がありました。
【まとめ】
●大半の病院で標準治療がおこなわれているのは、すぐれているからではなく圧力のため。
●誰もやらないような特殊な治療法こそ信用すべき。
🏥国民病のがん。手術などの標準治療で治療するのが常識とされていますが、標準治療は大変危険なものなのです。食事療法をぜひご検討ください。
がんは3大標準治療では治らない!がん食事療法を知ってください!
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津川友介/勝俣範之/大須賀覚〈最高のがん治療〉26の嘘 目次
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