「主治医の言うことより近藤誠本の情報が信頼されている」の嘘
✳️【アンカー効果】
私たちは何かを主張し結論づけようとするとき、必ずしもゼロベースで意思決定をするようなことはしないはずです。個人に備わっている何らかの知識や帰納的経験がどこかで前提となっていて、目の前に訪れた新しい事象に対しては、その前提に照らし合わせながら思考を働かせて理解を深めようとしているはずです。このような思考パターンを演繹法(三段論法)といいます。しかし、がん治療の情報解釈に関しては、不慣れや未知なことが圧倒的で、個人の前提や常識がほとんど備わっていない不十分なままであることが多いのではないでしょうか。そのような状態で賢い意思決定などできるはずもありません。
係留とは船舶でいう錨を指します。がん治療のように普段からまったく気に留めてもいなかった不得手な分野だからこそ、最初に与えられた情報が「わかりやすくて鮮明」だと大きく引っ張られてしまう、という心理バイアスです。
「モルヒネ」も同様ですが、それと同じくしていまだに「抗がん剤」に対する負のイメージが払拭されない風潮がなくならないのも、この「アンカー効果」によるところが大きいと思います。
エセ医学発信者たちは、最初に相手の心の中にうまく「アンカー」を降ろすことがとても上手であり、それに成功すると、実体がいくら誤ったインチキであっても、患者さんはもうそこに疑問を抱くことが難しくなってしまいます。テレビ報道やベストセラー本には、このアンカー効果の影響がとても強い、ということもわかっています。
例えば、ケリー・ターナー氏の『がんが自然に治る生き方』や、近藤誠氏の『医者に殺されない47の心得』などがそれに当たります。そのときの不安な心理状態や感情によって、医学的にいくら虚偽であろうとも、容易にそれらがアンカーとなってしまうのです。目の前にいる主治医のいうことよりも、たまたま漏れ聞いた、テレビや雑誌から発信された情報のほうが信頼度が高くなってしまうという罠です。 大場大〈東大病院を辞めた今だから言える「がん」の話〉より
✔️【真相〈まったく逆〉】
私の母はまったくの逆です。
近藤本などを使って私が長時間説明してもまったく聞く耳を持たず、主治医の言うことにしか首を縦に振りません。
その結果、医原病に苛まれ、生死の境を彷徨うはめになってしまったのですが……。
【いい傾向】
しかし、世の人々が主治医の言うことより、近藤誠の本のほうを信じるようになっているというのはいい傾向だと思います。
大場大こそ虚偽の医療情報を広めるのをやめてもらいたいです。
【正論】
最後に。
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エセ医学発信者たちは、最初に相手の心の中にうまく「アンカー」を降ろすことがとても上手であり、それに成功すると、実体がいくら誤ったインチキであっても、患者さんはもうそこに疑問を抱くことが難しくなってしまいます。テレビ報道やベストセラー本には、このアンカー効果の影響がとても強い、ということもわかっています。
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この大場大の意見は正論だと思います。
都合の悪い事実をすべて無視し、都合のいいことのみを書きまくった津川友介/勝俣範之/大須賀覚の〈世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療〉という本があるのですが、読書メーターなどのレビューを見ると賛辞しか寄せられていません。
彼らはまさに勝俣範之をはじめとするエセ医学発信者たちに、アンカーを降ろされてしまったのだと思われます。
【まとめ】
●医療本の情報には耳を貸さず、主治医の言うことしか聞かない人間もいる。
●エセ医学発信者たちの情報に人々が疑問を抱かなくなるというのは、まあ正論ではある。
🏥国民病のがん。手術などの標準治療で治療するのが常識とされていますが、標準治療は大変危険なものなのです。食事療法をぜひご検討ください。
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がん治療論争!大場大vs近藤誠編(勝者はあなたが判断してください)目次
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