「ファスティングをすると健康を害して餓死する」の真相
✳️【少食で餓死した少女】
1日1食しか食べないで腹ペコにしておくと、若返って長生きできるとかいう、おかしな健康法が流行しているそうです。
医師として申し上げます。
そんなことは、ありえません。
どんな健康法でも、人それぞれ自己責任においておこなう分にはいいでしょう。科学的な根拠がなくても、なにかを信じ込むことで病気が快方に向かう──。そういうことは起こりうるかもしれません。
ただし、他人に対して間違った健康法を喧伝するとなると、話は違います。大きな健康被害をもたらしかねません。『週刊新潮』(2012年7月12日号)に次のような記事が掲載されました。
アメリカのジョージア州で16歳の少女が自宅で死亡しているのが発見されました。体重はわずか18キロ。娘を餓死させた殺人容疑で母親が逮捕された。その母親は「飢餓はワンダフル」という医師の教えに共感し、娘に少量の食べ物しか与えなかったと供述したのです。極度の飢餓状態は何年も前から続き、それを苦にして家出をした少女がスーパーで食べ物を盗んだところを保護されたこともあったようです。
母親が信奉していた循環器医アンドリュー・チャンには「米国人の肥満の理由は単なる食べすぎ。食事の量そのものを減らして減量すれば、心臓病のリスクも低下する」との持論があり、「10倍飢えているとき、食べ物は10倍美味しくならないか?食べ物が10倍美味しかったら、ワンダフルじゃないか」と言っていたと。
栄養のことなどなにも考えていない、恐ろしい医師です。提唱している内容もメチャクチャで、食べる総量を1日900グラムに抑えるよう推奨。カロリーではありません。グラムです。食べ物の水分も含む「重さ」900グラムというひどい“教え”でした。獄中の母親と面会した当のチャン医師は、みずからの責任はまったく認めず、「彼女は、ストレスにやられているごく普通のシングルマザーだ」と言い放ったというのです。
聖書の一節と絡めて、持論を正当化する彼とその教えを守る人々は、カルト──狂信者と呼ばれています。にもかかわらず、この医師は「誰もが素晴らしく飢えていると心から言えるようになることを願っている」と抗弁しています。記事は「『ワンダフル』とは程遠い狂気じみた世界だ」と結んでいますが、まったくそのとおり! 高須克弥〈その健康法では早死にする!〉より
✔️【真相〈レアケースの誇張にすぎない〉】
これは典型的な「レアケースの誇張」にすぎません。
レアケースを誇張すれば、どんなすぐれたものも低劣なものに貶めることが可能であり、どんな低劣なものも立派なものに化粧することができます。
この「レアケースの誇張」というのは卑怯者の得意技の1つなので、みなさんもこれからの人生の中で気をつけるようにしてください。
【基本的な考え方は間違っていない】
1日900グラムが少なすぎるかどうかはよくわかりませんが、その医師の基本的な考え方そのものは間違ってはいません。
高須克弥は……
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「米国人の肥満の理由は単なる食べすぎ。食事の量そのものを減らして減量すれば、心臓病のリスクも低下する」との持論があり
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……などと言っていますが、持論ではなく様々な研究・調査で明白になっていることです。
高須克弥が紹介したこの事件はあくまで例外であり、正しい知識をもって正しい少食生活を続ければ、確実に心臓病のリスクを遠ざけることができます。
【正しくおこなえば効果絶大】
水や塩は人間が生きていく上でぜったいに欠かすことができないものですが、とりすぎたり間違ったとり方をすれば体調を崩します。
しかし、正しいとり方をすれば、絶大な健康効果をもたらして寿命を延ばしてくれます。
ファスティングもそれとまったく同じ。間違ったやり方をすれば体調を崩しますが、正しくおこなえば絶大な健康効果をもたらして寿命を延ばしてくれるのです。
【まとめ】
●少食で餓死した少女の例は、卑怯なレアケースの誇張にすぎない。
●ファスティングは正しくおこなえば絶大な健康効果がある。
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