医者と病院に殺されないための知識ブログ

医療界は現代医学に支配されており、標準治療を受けることが常識とされています。が、それによって多くの命が失われているのです。この事実を日本人に伝えるのがこのブログの目的です。

「糖質制限食のイヌイットは短命だった」の嘘



✳️【イヌイットの食生活の真実】

 狩猟採集時代に加えてもう1つ、糖質制限食をすすめる人たちが、その根拠として挙げるのがイヌイット(エスキモー)の食生活です。 


 イヌイットは、植物のほとんど育たない北極圏で生活しています。住んでいる地域によって差はあるものの、かつてのイヌイットは農耕をせず、ほぼ純粋な狩猟採集生活を送っていました。クジラやアザラシ、あるいは魚介類などを生で食べる生活をしてきたのです。 


 きわめて特殊な生活をしてきたために、さまざまな栄養学者や医師たちが自分の主張に都合の良い実例として取り上げてきました。糖質制限食の提唱者たちもそうです。 


 「獣肉や魚介類を生で食べてきたイヌイットは、典型的な糖質制限食だった。その彼らには、肥満や糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞をはじめ、リューマチやがんなど、あらゆる病気が少なかった」 


 こう主張するのです。しかし、人類学者の本を読めばすぐにわかるように、イヌイットは世界でもっとも短命な民族として知られています。現在は、食生活や生活環境が変わったので違いますが、かつてのイヌイットの平均寿命は30歳くらいだっただろうと推測されています。 


 30歳で寿命が終わるならば、糖尿病や血管系の病気はもちろん、リューマチやがんにかかる人が少ないのは当然のことではありませんか。そうした病気は、70歳、80歳まで長生きするからこそ、かかりやすくなるのです。 


 また、イヌイットの食生活は、血液をサラサラにするとか、頭が良くなるといって話題になったEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の宣伝にも使われました。 


 何年か前、私がNHKのテレビに出演したときのこと。同席していた学者が、こんな発言をしました。 


 「イヌイットには、脳血管の病気が非常に少ない。それは魚介類をたくさん食べるからだ。魚介類には、EPAやDHAが含まれているからだ」 


 私は、さすがにこんな話をオンエアされてはとんでもないと思って、「イヌイットの人たちに脳血管の病気が少ないと言うが、彼らの寿命がどれぐらいかわかって言っているのか」と、その場で反論したほどです。 幕内秀夫〈世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」〉より



✔️【真相〈ハーバード大学人類学者の体験談〉】

 糖質制限とイヌイットを語る上でぜったいに避けて通れないエピソードに、ハーバード大学の人類学者、ヴィルヤルマー・ステファンセンの体験談があります。


 イヌイットと5年以上生活をともにしたステファンセンは言います。


 「精神的にも肉体的にも、あれほど健康だったことはかつてなかったように思えた。……北極での最初の数ヶ月で私が得たのは……事実と経験という武器であり、それが、この記事の冒頭で取り上げた栄養観を私の心の中でくつがえした。私は魚と水で健康になれた。あの食生活を長く送るほど好きになっていった。 


 つまり、あくまで推論上の暫定的な話だが、食べるものが1つしかなければ人は食べ飽きることはない。私は魚ばかりで壊血病にはならなかったし、魚を食べていた仲間の誰かがなったという話も聞かなかった。動脈硬化や高血圧、腎不全、リウマチの兆候は皆無だった。魚を食べて過ごしたあの数ヶ月を皮切りに、その後の数年、私は肉だけを食べていた。当時試算したところでは、肉と水だけで5年以上北極で暮らしたことになる」(Harper's Magazine.1935)


 さらにステファンセンは帰国後、ニューヨークのベルビュー病院で動物性食品だけで1年を過ごしました。


 それを厳重に監督した懐疑的な医師たちは次のように結論しました。


 「広範にわたる実験結果から……監督した医師たちの見る限り、その(肉だけを食べていた)年の平均的な健康状態は、実験の最初に混合食を食べていた3週間と比べて、少なくとも同程度に良好だった。平均をやや上回ると感じた」


 このように懐疑的な医師たちさえも、糖質制限の健康効果を認めざるをえなかったのです。


 糖質制限が健康に悪く、イヌイットの平均寿命が本当に30歳なら、ステファンセンの体になんらかの不調が出ていなければおかしいはずです。これをどう説明するのでしょうか?



【糖質が増えてからイヌイットはがんになるようになった】

 最後に興味深いデータを紹介します。


 1855年のイヌイットの3大栄養比率は、タンパク質と脂質が40数%で、糖質が7.4%でした。


 その後、欧米人と交易が始まってパンが広まり、1974年には糖質が38%になったそうです。


 この頃からイヌイットにがんが見られるようになったそうです。


 幕内秀夫は「イヌイットは短命だからがんにかからなかったのだ」と言いますが、その主張が怪しいものであることがわかると思います。



【まとめ】

 ●イヌイットと生活をともにした人類学者に不調は出なかった。


 ●糖質摂取量が増えてからイヌイットにがんが見られるようになったという事実がある。



🏥国民病の糖尿病。インスリンなどの標準治療で治療するのが常識とされていますが、標準治療は大変危険なものなのです。糖質制限をぜひご検討ください。

糖尿病は標準治療や人工透析では治らない!糖質制限を知ってください!


目次へ

「糖質制限は危険!」という人たちの27の噓 目次