「糖質制限の有効性を否定するデータが存在する」の真相
✳️【糖質制限を否定するデータの山】
メンタリストDaiGoは〈最高のパフォーマンスを実現する超健康法〉という本の中で次のような主張をしています。
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世界有数の医学雑誌ランセットに、1万5000人の食生活を25年にわたって追いかけた論文が発表された。
それは低糖質、ほどほど、高糖質の3グループに分けたもので、ほどほどグループが死亡率が1番低く、低糖質グループより平均寿命が4年長かった。
サンプル数1の個人の体験を信じたい人は勝手にすればいい。
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近藤誠医師も〈医者のデマ〉の中で、米シモンズ大学の似たような研究を掲載しており、アンチ糖質制限のほかのヘルスエキスパートたちも、You Tubeの中で糖質制限を貶めるデータを提示しています。
また、NHKスペシャル「食の起源」取材班は〈「人類700万年の進化」が教えてくれる理想の食事術〉の中で次のようなことを言っています。
「糖質制限の有効性を肯定するデータ・論文より、否定するデータ・論文のほうが遥かに多い。ハーバード大学も否定している」
✔️【真相〈データ・論文の闇〉】
「データや論文という動かぬ証拠があるのか。それじゃあ糖質制限って体に悪いのかな……」と思われたかもしれませんが、それは浅薄というものです。
松村むつみ医師の〈エビデンスの落とし穴〉という本に詳しく書かれているのですが、データや論文というのは量より質の世界なのです。
たとえば症例対照研究よりコホート研究のほうがエビデンスレベルが上なため、症例対照研究の論文100本よりコホート研究の論文1本のほうが説得力があるんです。
さらにコホート研究にも前向きのものと後ろ向きのものがあり、前向きのもののほうがエビデンスレベルが上。そのため後ろ向きコホート研究の論文100本より、前向きコホート研究の論文1本のほうが説得力があるんです。
さらに前向きコホート研究よりランダム化比較試験のほうがエビデンスレベルが上であり、前向きコホート研究の論文100本より、ランダム化比較試験の論文1本のほうが説得力があるんです。
さらにランダム化比較試験にも大規模なものと小規模なものかあり、大規模なもののほうがエビデンスレベルが上。そのため小規模なランダム化比較試験の論文100本より、大規模なランダム化比較試験の論文1本のほうが説得力が上なんです。
では大規模ランダム化比較試験のデータ・論文があれば無敵なのかといいますと、実はまったくそんなことはないのです。
こちらの記事でも説明しているのですが、たとえランダム化比較試験でもインチキなどいくらでも使うことができるからです。
そのためランダム化比較試験よりエビデンスレベルが格下の個人の意見のほうが、正しい可能性があったりするんです。
これでわかってもらえたと思いますが、「データがある。論文がある。だから糖質制限は危険なのだ。チャンチャン」で片付けられるような問題ではないのです。
【JAMAに掲載された論文】
最後に、2007年のJAMAに掲載されたとあるデータを紹介します。
当時、よくおこなわれていた4大ダイエット法である……
●アトキンス・ダイエット(糖質制限)
●(脂質の摂取量を極めて低くする)オーニッシュ・ダイエット
●(タンパク質・炭水化物・脂質の割合を30:40:30にする)ゾーン・ダイエット
●(標準的な)低脂質ダイエット
この4つで比較試験がおこなわれたのですが、糖質制限のアトキンス・ダイエットの圧勝に終わりました。
体重が減っただけでなく全身の代謝も良くなり、血圧、コレステロール値、血糖値もすべて大幅に改善されたそうです。
【NEJMに掲載された論文】
もう1つ。2008年のNEJMに掲載されたデータ。
アトキンス・ダイエット、地中海食ダイエット、AHAが標準としていた低脂質ダイエットで比較試験がおこなわれたのですが、これもアトキンス・ダイエットの圧勝で、特に血糖値はほかのダイエット法より0.9も下がったそうです。
糖質制限のアンチはこれらのデータにインチキがあるというのなら、なぜそう言えるのか、挙証責任を果たしてください。
【まとめ】
●「データがある」「論文がある」──それだけでは糖質制限を否定することはできない。
●糖質制限の有効性を示す強力なデータも多く存在する。
🏥国民病の糖尿病。インスリンなどの標準治療で治療するのが常識とされていますが、標準治療は大変危険なものなのです。糖質制限をぜひご検討ください。
糖尿病は標準治療や人工透析では治らない!糖質制限を知ってください!
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