「抗がん剤のデータの人為的操作は不可能」の嘘
✳️【“人為的操作”がおこなわれる隙はない】
新GCPの中でも、一番のポイントは“データの質を保証・管理する”ことで、そのためにモニタリングと呼ばれる業務や、第三者による監査が必須となりました。
「モニタリング」とは、治験の計画書どおりに患者さんに治療がきちんとおこなわれているかをチェックしたり、患者さんのデータに記載漏れやミスがないかをチェックしたりすることです。このため、1例のケースカードを書くのに従来は1〜2時間だったのが、その数倍もかかるようになったため、医師が担当することが物理的にもできなくなりました。そこで病院が「治験コーディネーター」(CRCとも呼ばれる)を雇用して、ケースカードを書くことになりました。治験コーディネーターは看護師や薬剤師が担当することが多いのですが、忙しい医師と違って、患者さんのデータをきちんと正確に記載します。
そして監査では、治験に関わっていない第三者による立ち入り調査が入ります。施設(病院)に出向いて、患者さんの記録を詳細にチェックするのです。個々の患者さんが何月何日に悪化したとか死亡したとか、追跡ができなくなった場合、その理由はどういったものか、などの厳密な調査をします。
モニタリングや監査の結果は、治験終了時に厚生労働省に提出され、承認審査をする際には詳細なチェックが入ります。また、厚生労働省の下部組織である「医薬品医療機器総合機構」(PMDAと呼ばれる)が、GCP適合性調査といって、病院や製薬企業に直接出向き、患者さんのデータの正確性や、解析が適切におこなわれたかどうかをチェックします。
98年から新GCPが実施されるようになりましたが、このような二重三重のチェックがおこなわれることとなり、治験では、捏造などができるような体制ではなくなりました。GCPは薬事法に位置づけられるため、違反をすれば薬事法違反となり、厚生労働省から厳重な指導が入ったり、業務取り消しなどの処分がおこなわれたりすることになります。(中略)
このような状況ですから、98年の新GCP以降におこなわれた治験では、“人為的操作”をおこなえる隙がなくなったと言えるのです。 勝俣範之〈「抗がん剤は効かない」の罪〉より
✔️【反論〈人為的操作の意味が異なる〉】
近藤誠が指摘する「人為的操作」とは、勝俣範之が考えるものとは意味が異なります。
近藤誠が指摘する人為的操作とは、第三者による書類チェックでは見抜けない性質のものです。
たとえば、片方のグループにだけ追跡調査を綿密におこなったり、片方のグループだけ検査をやめて施行する、といったものです。
これらは意図的におこなわれても、意図を裏付ける証拠は残りません。近藤誠の言う人為的操作とはそういう性質のものです。
実はこれ(「またかよ……」と呆れるでしょうが)近藤誠の〈抗がん剤は効かない〉に書かれていることなのです。
勝俣範之の〈「抗がん剤は効かない」の罪〉は〈抗がん剤は効かない〉への反論本のはずだというのに、なぜ近藤誠のこの意見にまったく触れていないのでしょうか……?
【信用できない厚生労働省のチェック機能】
また、勝俣範之は日本の厚生労働省のチェックの厳しさを強調していますが、ほかの記事で紹介した利益相反の発覚したTS-1の論文は、なんと日本で実施された臨床試験のものなのです。
これで厚生労働省のチェック機能の厳しさを信用しろと言われても……。
【まとめ】
●抗がん剤のデータの人為的操作は充分に可能である。
●厚生労働省のチェック機能は当てにならない。
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抗がん剤論争!勝俣範之vs近藤誠編(勝者はあなたが判断してください)目次
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